休日の朝。
コーヒーを淹れて、ゆっくりニュースを見て、ひと呼吸したら…
私の“ひそかな日課”が始まる。
それは、「ワイシャツのアイロンがけ」。
昔は面倒だった「アイロンがけ」
正直な話をすれば、昔はアイロンがけが大の苦手だった。
シワがなかなか取れないし、袖口はよれよれになるし、アイロン台を出すのも億劫。
「これ、プロに頼んだほうが早いんじゃない?」と何度も思ったし、実際にクリーニングに出していた時期もある。
でも、ある日ふと「休日くらい、自分でちゃんとやってみよう」と思った。
それから少しずつ、アイロンがけが私の“ルーティン”になっていった。
無心になれる時間
襟から肩、袖から背中へ。
一枚一枚、ゆっくりと熱を通していくと、いつの間にか頭の中が空っぽになっている。
考えごとをしていたつもりが、いつの間にか「シワの伸び具合」に全集中。
なんというか、アイロンがけってちょっと瞑想に近いのかもしれない。
休日に、無心になれる時間って貴重だ。
静かな部屋で「シューッ」とアイロンの蒸気の音だけが響くのも、悪くない。
少しずつ、上達する楽しさ
最初はあんなに下手だったのに、今では自分でも驚くほど上手くなったと思う。
折り目がピシッと決まったときは、ちょっとした達成感すらある。
家族に褒められることもなければ、誰かに見せるわけでもないけれど――
「自分が着るワイシャツを、自分の手で整える」という行為に、静かな誇りを感じている。
アラフィフになって思うこと
若い頃は「面倒なことは外注で」と思っていた。
でも今は、「ちょっと面倒なことこそ、自分でやる意味があるのかも」と感じている。
きっと、アラフィフになったからこその“価値の見つけ方”なんだろうな。
おわりに:日常に、小さな誇りを。
洗い立てのシャツに、自分の手でアイロンをかける。
それを月曜の朝に着て、また一週間が始まる――。
そんな何気ないサイクルに、じんわりとした幸せがある。
次の週末もまた、いつものようにワイシャツにアイロンをかけよう。
この歳になって「自分の成長」が感じられるのは、意外と嬉しいものですね。